舌下神経電気刺激療法(Inspire)について学ぶ
舌下神経電気刺激装置は、体内で自然な呼吸リズムに働きかけ、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を治療します。睡眠中、システムは呼吸リズムと同期して舌下神経を微弱な電気で刺激し、舌の根本の筋肉を収縮させることで、気道の閉塞を防ぐことができます。患者ご本人が小さい携帯型リモコンでシステムを操作することができます。就寝前にスイッチをONにして、起床後にスイッチをOFFにする操作だけです。
18歳以上であること。
高度の肥満ではない。BMIが30未満であること。
CPAP療法の継続困難であること。
無呼吸低呼吸指数(AHI)が20以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群であること。
扁桃肥大等の解剖学的異常がないこと。
薬物睡眠下内視鏡検査で不適応と診断されていないこと。
中枢性無呼吸の割合が25 %以下であること。
この治療は、保険適用であり、高額療養費の自己負担限度額を超える額については申請により支給を受けることができます。高額療養費制度に関する手続方法などは医療機関や医療保険の 種類によって異なるため、詳しくは治療を受けている医療機関や加入している医療保険、お住いの自治体にお問い合わせください。
舌下神経電気刺激装置は、舌をコントールする運動神経に微弱な電気刺激を送り、舌を移動させます。電気刺激はとても優しく、眠りを妨げない程度に舌を前に出すように設計されています。痛みや不快感はありません。
電池の寿命は、約11年間使用できる設計です。電池残量が少なくなると、病院で電池交換の 手術を行います。
手術後の回復時間は患者さんの状態により様々ですが、1週間程度の入院となります。術後数日間は、小さな切開部に痛みや腫れが出ることがあります。医師の指示に従って、一定期間の激しい運動を避けてください。日常の活動には数週間以内に復帰する患者さんがほとんどです。
現在お使いの機器と舌下神経電気刺激療法とが干渉しないかを判断するため、医師の検査を受ける必要があります。干渉がないことを確認できれば使用が可能です。
傷口が完治すれば、普段の生活を制限する必要は ありません。重量挙げのような特に激しい運動 や、上半身や腕の運動範囲が広い運動、または消防士のような業務に従事されている患者さんについては、主治医にご相談ください。
一般的には年に1~2回、外来でシステムのチェッ クが必要です。
舌下神経電気刺激装置を使用していても、CT・超音波・X線検査などを受けることができます。また、舌下神経電気刺激装置の機種に応じて、ガイドラインと注意事項に沿ったうえで、条件付きMRI検査が可能です。弊社ホームページでは、お使いの機器がMRIの条件付きスキャンに対応が可能かどうかを「舌下神経電気刺激装置をお使いの患者さんへ」の項で確認することができます。
舌下神経電気刺激療法の治療は、所定の講習を受講した専門の医師が行います。下の[病院を探す]をクリックし、どの病院で治療が受けられるかを詳しく調べることが出来ます。